■ 住まいのお手入れのススメ



   皆さんは、『住まいのお手入れ』と聞くと、どんな事を思い浮かべますか?

   掃除、点検、修理、修繕。それは出来れば誰かに任せたい億劫なこと。

   でも大切な事だから・・・と真面目に実践している方、中には、日曜大工が得意で、

   趣味のようにせっせとやっている方もいるかもしれません。

   でも、実際の作業は、やはり少々面倒くさい・・・と思う方も多いのではないでしょうか。

   今回は、住まいのお手入れのもたらすものについて少し考えてみたいと思います。

   お手入れには、どんな効果や効用があるのでしょうか?



   あなたの家では、誰がどんな風にお掃除していますか?

   家族で分担・協力して、それともほとんどいつも一人で・・・でしょうか。

   子どもが手伝いを口にした時は、どうでしょう。本当は自分でしたほうが早いし、イライラせずに

   済むことも多いのですがぜひ一緒にしたいものです。手入れを一緒にすることで、素材の特徴や、

   その使い方の注意点を共に確認し学習できます。毎日使っている住まいではありますが、

   大人も子どもも、実はあまり詳しく見たり素材の適性を考えたりはしていないものです。

   家族皆がお手入れの実体験を通じて、自分たちの住まいと暮らしに合った素材や

   機能を選ぶ眼を養ったり、愛着を育んでゆくことができるのではないでしょうか。

   そんな体験が、楽しく興味の持てる形で出来れば最高です。一目見ただけで効果テキメンの雑巾がけや

   ワックスがけ、障子紙を破くことから始まる貼替え、ワイパーや新聞紙を使ったガラス磨き、

   ムラを気にせず塗れる塗料を使ったデッキの塗り替えなどを、家族皆で楽しめる形にイベント化すれば、

   掃除だけでなくメンテナンスを体験することも出来ますね。



   具体的な作業を通じて「住んでいる人と家」とのコミュニケーション、そして、それを皆で

   協力し一緒にやる事で、「家族同士」のコミュニケーションも図れます。そのどちらも揃うと、

   住まいへの理解や愛着が一層増し、大切に使い続けたい気持が高まります。

   日本の住宅は、平均寿命が30年程度と言われてきましたが、現在は、丈夫で更新可能・長持ちする家、

   たとえば、200年もつ住宅などを意識して作るようにもすすめられています。

    住み手に長持ちを望まれてこその長寿です。丈夫で快適に住めるよう工夫され、しかも皆で

   手入れされた愛着のある家は、長持ちを望まれる家=長寿命な住まいとなるのではないでしょうか。


   住まいや素材を知る楽しみ、暮らしや知恵の共有、家族とのコミュニケーション・・・お手入れを

   ちょっとイベント化し楽しむ事で、暮らしや家族の関わりに何か変化があるかもしれません。

   『住まいのお手入れ』をネタに、家と、家族と、コミュニケーションを楽しんでみてはいかがでしょう。







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